子ども創造室

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2022月10月08日(土)

絵本のものがたりの香りをつくろう!
@おひさまテラス

9月23日(金・祝)〜24日(土)の2日間、千葉県旭市の多世代交流施設・おひさまテラスにて「こどもワークショップデイズ」を企画・開催しました!

今回は小学3~6年生の子どもたちを対象に、3種類のワークショップを行いました。
ワークショップのテーマは、①本×香り②インタビュー×マガジン③パッケージ&屋台デザイン×マルシェ。
五感をしっかり働かせたり、じっくり何かを観察したり、人と対話をしたりしながら、子どもたちの想いやアイデアをカタチにしました。

ここでは、本×香りをテーマにした「絵本のものがたりの香りをつくろう!」のレポートをお届けします。


物語の要素を因数分解して「香り」で再構築する。

このワークショップでは、おひさまテラスのパブリックスペースの絵本の中からお気に入りの1ページを選んで物語を想像し、ページをイメージした香りをエッセンシャルオイルで調合しました。

ワークの過程では、絵本のページから物語を想像したり、それぞれのオイルの香りを言語化したり、一方で言語化されたワードを見て香りを想像したりと、「想像」「香り」「言語化」の3つを行き来しながら、頭の中にある抽象的なページのイメージを一つの香りとして表現しました。




1:香りで表現したい1ページを選ぶ

まずはパブリックスペースにある絵本の中から、香りで表現するページを選びました。
今回は実際の物語を表現するわけではなく、ページの絵をインスピレーションにして自分で物語を想像するので、いろんな絵本を手に取ってはパラパラとめくり、イラストのテイストや色使いをヒントに想像力を膨らませながら、ピンとくる1ページを探しました。

スペースには、絵本の他にも文芸書、ビジネス書や実用書、専門書、写真集やアート本に至るまで、さまざまなジャンルの書籍がセレクトされているので、子どもたちが普段触れない本にも興味津々で触れているのが印象的でした。



2:ページの物語を想像する。

次に選んだページの物語について、想像を膨らませていきます。
「季節はいつだろう?」「時間は何時ごろかな?」「このページの主人公は誰だろう?」「主人公はどんな気持ち?」など、ワークシートを使いながらページのイメージの解像度をあげていきます。
最後に、そのページのオリジナルの物語をつくりました。


みんなページの雰囲気や細部までよく観察して、物語づくりに没頭していたのが印象的でした。



3:エッセンシャルオイルの香りを言語化する。

続いて、エッセンシャルオイルの香りを言語化しました。
このワークでは、実際にオイルの香りを嗅いで調香するのではなく、参加者によって言語化された香りのシートのキーワードを見て、自分の物語のエッセンスと合致しそうな香りを選んでいきます。
つまり、実際にはワークショップに参加した全員の香りのイメージが合わさって、それぞれの物語の香りが出来上がることになります。
今回用意したオイルは30種類。
2人1組のぺアになって、それぞれの香りを言語化しました。
「香りを色で表すとどんな色?」「人に例えるとしたらどんな人?」「嗅いだときに感じる気持ちは?」など、シートを見れば他の人がその香りを想像できるようにキーワードで表現しました。



4:物語に合う香りを選ぶ。

みんなが言語化した30種類の香りのシートの中から、自分の物語を表現する香りを3つ選びました。
最終的に調香するオイルの配分は5:3:2と決まっているので、どの香りをメインにするのか、あるいはアクセントにするのかも考えます。
ポイントは、物語のエッセンスと合致するキーワードが2つ以上ある香りを選ぶこと。

物語を多面的に捉えてその要素を因数分解し、分解したものを再び「香り」という表現方法を使って別のカタチで再構築しました。


5:選んだ香りを調合する。

いよいよ、選んだ3つのオイルを調合しました。
今回はつくった香りを持ち帰って使えるように、オイル・精製水・エタノールを混ぜてルームスプレーをつくりました。

ここで初めて、自分のつくった香りを嗅いでみます。
表現したい雰囲気にぴったりの香りになったパターンもあれば、想像とは異なるけれど不思議と物語をよく表している香りになったものもありました。

物語を表現するために意図的に香りを選んだ側面と、その香りが他者によって言語化されたことによる偶然性が合わさり、それぞれが想像の範囲を少し飛び出た面白い香りに仕上がりました。
自分一人でアウトプットするのとはまた異なる表現の面白さを、子どもたちも感じてくれていたらいいなと思います。



6:お互いの物語と香りを知る。

最後は、自分の選んだページ・つくった物語・香りを発表して、お互いの作品について知りました。
ページを見て、物語を読んでから香りを嗅いでみると、不思議とそのページぴったりの香りに感じるから不思議…!
迎えにきた保護者の方や通りがかった方も、それぞれの物語と香りに興味津々に嗅いでいたのが印象的でした。


子どもたちが調合した香りは、たくさんの方に触れていただけるように、絵本の物語と合わせて一定期間おひさまテラス内に展示しました。

子ども創造室ではより多くの子どもたちの創造力を育むことを目的に、出張ワークショップの開催や要望に合わせたプログラム開発・実施、さらには、企業・団体さま向けのスタッフ研修を行っています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。


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